平田恵子の ABC南風
    
Vol.26 Zona Bali(ゾーナ バリ=バリ区域)
       
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* Zはインドネシア語表記になく、外来語となる。Zonaは英語のZoneから。
 70年代の8月に、生まれて初めての海外旅行でこの島に入った。当時、私はインドネシア語の学生であったので、まずはインドネシアに行かなければ話が始まらないと思っていたからだ。しかし、出国前には、赤痢やコレラ、黄熱病の予防注射は必要だわ(これが期間をおいて接種するので2か月ちかくもかかる)、入国ビザを取るのに領事館で面談はあるわで、面倒になることしばし。しかも、直行便はなく、香港で乗り換え、シンガポール経由で、やっとのことジャカルタ入りできたのだった。

 ジャカルタから乗り合いタクシーで高原都市ボゴールへ。ボゴールから列車で古都ジョクジャカルタへ。ジョクジャカルタから夜行の長距離バスに乗ってバリ海峡をフェリーで超え、何でここまでしてバリに行かなくてはいけないのかわからないながら、ぼろぼろになってデンパサールに到着した。正直、バリの情報は当時ほとんどなくて、「ジャワの東にいい島がある」くらいのことだったのだ。

今は原宿状態になっているクタビーチはわびしい漁村で、ちょっと渚を歩いて先のレギアンにゆけばインドから流れて来たヒッピーたちのヌーディストビーチになっていた。私は夕刻になると怖いもの見たさで、レギアンまで足を伸ばし、あの海に呑み込まれる落日を静かにゆっくりと眺めたものだった。

そんなあるとき、夕陽見物のオランダ人ヒッピーとインドネシア語で話をしていた。“Sekarang, Zona Bali seperti surga, tetapi segera akan hancur dengan masuknya ekonomi kapital. Jadi kita datang pada waktu yang tepat. Ini kesempatan terakhir untuk dapat melihat Bali yang sebenarnya.(バリ区域はこんな楽園のようだけど、すぐに資本経済が入っていてめちゃめちゃになってしまうんだよ。だから、僕らはいい時、来たね。本当のバリを見るのは、今が最後のチャンスなんだよ)” “Oh, begitu.....(ふ〜ん)” オランダはインドネシアを350年も植民地支配していたので、両国の関係は深く、インドネシア語を話せるオランダ人とはよく出会うのだ。

10年くらい前までは、女はほぼ全員が民族衣装に長い黒髪だったのだが、急激に服装が変わり最近はシャツやズボン姿も普通で、ショートカットの娘さんも多くて、個人的には、これが一番悲しい。村の漆黒の闇を照らしていたランプはなくなり、電気がきてから夜はだんだんと明るくなり、外人観光客の増加に比例して、クタの欲望は刺激され、ちょろまかしが増えた。とはいえ、今も昔も、花を指先にはさみ、宙に聖水をふりかけ朝のお祈りをするバリ女性を見ると、ふいに時間が浄化される。今も昔も、クタビーチを全力疾走する犬の姿は、最高に気分がいい。

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■平田恵子さんの絵本が出版されました。
  
キレイになるバリ絵本 SEXY BALI 入門  彩流社  1900円 
長年のバリ通いから確信に至った、女性がキレイになるポイントをあれこれ。構成は、島の女のキレイの基本、リゾート女のセクシーの秘密、バリ名所で感動力アップ他。バリらしい絵と体験エピゾードでまとめています。

書店にない場合は、http://www.sairyusha.com/ネットからご注文いだだけます。送料無料です。

平田恵子さんの詳しいプロフィールについてはこちら♪
 >>>http://www9.ocn.ne.jp/~sexybali/index.html

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