「あっ〜、たいへん。また、飛んじゃった」つまみに頼んだクルプック(krupuk
=えびせんべい)が、風にパラパラとテーブルの上やら床に吹き飛ばされる。笑いながらも、あわててクルプックを口に運び、冷たいビンタンビールを喉に流し込む。田んぼを渡ってくる風が、汗ばんだ肌をさぁ〜となでてゆき気持ちいい。
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ここは、ウブドでお気にいりのトロピカル・ビュー・カフェ。店名のままのトロピカル・ビューが一面に広がる。トロピカルといっても風景は濃密なジャングルでなく、背景にやし林のシルエット写る田んぼである。これが、エキゾチックさと郷愁がミックスして、なんともくすぐったいような…。今は東京で暮らす私が、田園風景をゆっくり眺めるのは、ほとんどがバリ島でとなっているのも、不思議な感じ。時おり、えさ探しの白鷺が緑の田から飛びたつのも、優雅なシーンだ。
で、午前中から気温30度を越える中を動き回っているのでランチに入ると、水でもいいのだけれど、まっそこはビールを頼む。”Minta
bir yang besar satu botol dan gelas dua, ya!(ビール大瓶1本とグラス2個ね)”これでお食事タイムの幕があがる。緑のボトルのはがれかけたラベルにはアルコール度4.8%とあるが、切れよく軽いのでどんどんいけるし、脱水症状の防止もかねて水分補給は健康上も美容上も欠かしてはならない。 |
ブランドには、ビンタン(星印、bintang=星)、アンカル(錨印、angkar=錨)、バリハイ(バリ風景印、Bali
Hai)などがあるが、ビンタンビールは、かつての植民地時代にビール好きのオランダ人が製法を持ち込んだもので、インドネシアで最も歴史があり人気の高いビールだ。値段も他より高めとなっている。
バリの店は、料理が出てくるのが遅くて、つまみがなくなるころにはビールが1本あいてしまっている。メインのナシチャンプルが届くや、つい、もう1本注文してしまうことになる。光りが満ち、風が流れるオープン・エアの店で、熱帯スパイスをふんだんに使った風味豊かなバリ料理には、すっきり味のビンタンがぴったりなのである。
*トロピカル・ビュー・カフェ
UBUD モンキーフォレストの東すぐの小高い丘に位置する眺めのよいレストラン。
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