成人儀礼を受ける子は全員で五人でした。一人にかける時間は長く、削っている様子も座席からはよく見えないので、だんだん飽きてきました。ずっと東屋に上がりこみ覗き込んでいるのもどうかと思い、一人目の途中で、自分の席に戻っていたのでした。それから二時間ほどしたころでしょうか。宿の兄ちゃんがようやく戻ってきたので、一緒に帰ることにしました。私は思いがけず削歯儀礼が見れて大満足で宿に帰りましたが、ふと気づいたら結婚式はほとんど見ていませんでした。このとき以来、ほぼ毎年のようにバリに行っていますが、結婚式も削歯儀礼も見る機会を得ていません。公の場で行う葬式と異なり、屋敷の中で行われる儀礼の場合、一般の旅行者はなかなか目にすることができません。あのとき、もう少し粘って最後まで見ておけばよかった、とちょっと後悔です。 |
削歯儀礼を受けた五人。花嫁三人に花婿二人?
数が合いませんね……。
一人は削歯儀礼にだけ参加したのでしょうか。 |