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  インドネシア語とは?

インドネシア語の特徴について簡単に説明します。
詳しくは、「CD付らくらくインドネシア語初級」(INJ出版)をご覧ください。


1. 人口2億4千万人のインドネシアで話されている国語

 インドネシア語は、人口2億4千万人のインドネシア共和国の国語で、7世紀にスマトラ東海岸およびマレー半島で話されていたマレー語(ムラユ語 Bahasa Melayu)に起源を発しています。現在、マレー語はマレーシアとシンガポールの国語、ブルネイの公用語で、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、フィリピン南部、タイ南部など東南アジアの広範囲で話されています。インドネシア語はマレー語と非常に似ており、発音や語彙に違いが見られますが、コミュニケーションは可能です。


2.アルファベット表記でローマ字読み

 インドネシア語は、英語と同様にローマ字のアルファベット26文字で表記しますが、発音は英語と異なりますので注意しましょう。
単語は、原則として、アルファベットをそのままローマ字読みにすれば大丈夫です。

大文字
小文字 a b c d e f g h i j k l m
発音 a be ce de e ef ge ha i je ka el em
アー ベー チェー デー エー エフ ゲー ハー イー ジェー カー エル エム
大文字
小文字 n o p q r s t u v w x y z
発音 en o pe ki er es te u ve we eks ye zet
エン オー ペー キー エル エス テー ウー フェー ウェー エクス イェー ゼッ(ト)

3.単語の語形変化はない

 インドネシア語の名詞には単数、複数の区別がなく、主格(〜は)、所有格(〜の)、目的格(〜を)などの格変化、および男性名詞、女性名詞の区別もありません。また、動詞の活用変化もありません。覚える単語は少なくても、すぐに簡単な会話ができるようになります。


4.繰り返しの言葉が多い

 インドネシア語は日本語と同様に、通常、名詞の単数と複数を区別しません。しかし、日本語に「人々」「家々」などの表現があるように、インドネシア語も名詞を重複させると複数を表します。ただし、単語の重複が必ずしも複数を表わすとは限りませんので、注意しましょう。

(1)複数を表わすもの
   anak  子供 → anak-anak  子供たち
   pulau 島   → pulau-pulau 島々

(2)単独では意味をなさないもの
   lumba-lumba  イルカ
   kupu-kupu   蝶

(3)単独の場合、意味が異なるもの
   gula  砂糖 → gula-gula   飴
   mata 目   → mata-mata スパイ


5.単語の構成

インドネシア語の単語には語形変化がなく、もとになる単語、すなわち語幹に接頭辞や接尾辞を付け加えたり、複数の語幹を組み合わせたりして派生語を形成します。  たとえば、makanという語幹を例に挙げてみましょう。makanは、接頭辞や接尾辞がつくことにより、次のように意味が変わります。

 語幹                     → makan        食べる
 語幹 + 語幹                → makan-makan   楽しんで食べる
 語幹 + 接尾辞-an            → makanan       食べ物
 接頭辞ter- + 語幹            → termakan      誤って食べる
 接頭辞me- + 語幹 + 接尾辞-kan  → memakankan   食べさせる
 接頭辞me- + 語幹 + 接尾辞-i    → memakani     何度も食べる


6.基本文型

 基本文型は「主語+述語」ですが、主語が省略されることもあります。目的語は動詞の後に置き、文頭は大文字で文末に「 .(titik)」を付けます。

(1)主語+述語(名詞、形容詞、動詞)

   名詞   Saya mahasiswa.    私は大学生です。
         私+大学生

   形容詞  Dia rajin.         彼は勤勉です。
         彼+勤勉な

   動詞   Mereka pulang.     彼らは帰ります。
         彼ら+帰る

(2) 述語(形容詞、動詞)   *主語の省略

   形容詞  Sangat panas.      (今日は)とても暑いです。
         とても+暑い

   動詞   Minum.          (あなたは)飲みなさい。
         飲む

(3) 主語+動詞+目的語

   Kami makan nasi.          私たちはご飯を食べます。
   私たち+食べる+ご飯


7.名詞の修飾

 修飾語は名詞の後に置き、日本語と語順が全く逆になります。ただし、数字や数量に関する語は、名詞の前に置きます。一部の単語は名詞と修飾語の位置によって意味が異なることに注意しましょう。

(1) 名詞+修飾語(+修飾語)

  buku ini             この本
  本 + この

  mobil merah ayah saya   私の父の赤い車
  車 + 赤い+父 + 私


(2) 数詞(数量に関する語)+名詞

  dua tahun            2年
  2 + 年

  banyak orang         多くの人
  多い + 人

(3) 名詞と修飾語の位置によって意味の異なるもの

  air mata 涙     mata air  泉
  水+目       目+水

  jari ibu 母の指   ibu jari   親指
  指+母       母+指


8.時制

 インドネシア語には時制による動詞の語形変化がないため、時制はその場の状況、もしくはイントネーションで判断します。たとえば、Budi datang. は、状況によって「ブディは来ます」「ブディは来ました」「ブディは来るでしょう」のいずれも可能になります。
 時制を明確にさせるには、minggu lalu「先週」、sekarang「今」、nanti「のちほど」など時を表す語やakan「〜する予定だ」、sedang「〜している最中」など時制の助動詞を用います。


9.疑問文

 平叙文を疑問文にするには次の3つの方法があります。
疑問文の文末には「?」を付け、文末のイントネーションを上げて発音します。

平叙文                           Dia datang.
                               彼は来ます。

疑問文1 平叙文+?(文末を上げて発音)     Dia datang?
                               彼は来ますか?

疑問文2  Apakah「〜ですか」+平叙文+?    Apakah dia datang?
                               彼は来ますか?

疑問文3 平叙文+接尾辞-kah「〜ですか」+?  Dia datangkah?
                               彼は来ますか?


10.否定文

  名詞を否定するにはbukan、形容詞と動詞を否定するにはtidakをそれぞれの品詞の前に置きます。

(1)名詞の否定
  Ini bukan garam.         これは塩ではありません。
  これ+〜ではない+塩

(2)形容詞の否定
  Mereka tidak sakit.       彼らは病気ではありません。
  彼+〜ない+病気の

(3)動詞の否定
  Kami tidak hadir.         私たちは出席しません。
  私たち+〜ない+出席する


11.よく使われるフレーズ

 日常会話によく使われるフレーズを覚えましょう。

(1) おはようございます。こんにちは。こんばんは。
  Selamat pagi.   (朝)
  スラマッ パギ

  Selamat siang.  (昼)
  スラマッ スィアン

  Selamat sore.  (夕方)
  スラマッ ソレ

  Selamat malam. (夜)
  スラマッ マラム

(2) お元気ですか?
  Apa kabar?
  アパ カバル

  元気です。
  Baik-baik saja. 
  バイッ バイッ サジャ

(3) ありがとう。
  Terima kasih. 
  トゥリマ カスィ

  どういたしまして。
  Sama-sama.
  サマサマ

(4) さようなら。   * (1)と同じフレーズが別れ際にも使われます。
  Selamat pagi.   (朝)
  スラマッ パギ

  Selamat siang.  (昼)
  スラマッ スィアン

  Selamat sore.   (夕方)
  スラマッ ソレ

  Selamat malam.  (夜)
  スラマッ マラム

(5) またお会いしましょう。
  Sampai jumpa lagi.  
  サンパイ ジュンパ ラギ

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